专利摘要:
本発明は、球面ころ軸受及びその組立てのための方法であって、球面ころ軸受(1)が、外側の軌道輪(2)、内側の軌道輪(3)、及び軌道輪(2,3)間に配置された複数の球面ころ(4)からなり、球面ころは保持器(7)によって円周方向で互いに一様な間隔に保たれ、球面ころの球の直径(dK)の約70%の幅(bK)を有していて、球面ころの転動面(8)でもって、加工成形された溝状の2つのレース軌道(11,12)内を転動し、レース軌道の深さ(tLA,tLI)は、外側の軌道輪(2)と内側の軌道輪(3)との間の間隔(aL)よりも小さくなっている形式のものに関する。本発明によれば、前記球面ころ軸受(1)の前記保持器(7)の各保持器ポケット(13)は、それぞれ前記球面ころ(4)の、円周方向に位置する断面輪郭と円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭とを組み合わせてなる全体輪郭を有している。球面ころ軸受の組立ての方法は、内側及び外側の軌道輪(3,2)並びに球面ころ(4)間の交差・斜め位置式旋回組立として形成されている。
公开号:JP2011516800A
申请号:JP2011502268
申请日:2009-03-28
公开日:2011-05-26
发明作者:ヴィアト ヴェアナー;ガイガー エアンスト;ホーフマン ハインリヒ;デップリング ホルスト
申请人:シェフラー テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトSchaeffler Technologies GmbH & Co. KG;
IPC主号:F16C19-26
专利说明:

[0001] 本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の球面ころ軸受、及び該球面ころ軸受の組立方法に関するものであり、該球面ころ軸受は、特に自動車の変速装置の入出力軸のための非分離形軸受として有利に用いられるものである。]
[0002] 転がり軸受技術において知られるように、深みぞ玉軸受は、破壊されにくい頑丈なラジアルころ軸受であり、半径方向でも及び軸方向でも同様に高い負荷容量を有し、かつ摩擦の小さいことに基づきあらゆる軸受形式のうちで最も高い回転数限界値を有している。このような深みぞ玉軸受は、ほぼ外側の軌道輪、内側の軌道輪、及び両方の軌道輪間に配置された転動体としての複数の球体から成っており、球体は、外側の軌道輪の内周面及び内側の軌道輪の外周面に加工成形された溝状のレース軌道上を転動するようになっていて、かつ保持器によって一様な間隔に案内されている。ラジアルころ軸受における球体の装填は、独国特許出願公告第168499号明細書により公知の偏心組立法を用いて行われ、両方の軌道輪が互いに偏心して配置され、これによって両方の軌道輪間に形成された空間が球体で満たされるようになっている。]
[0003] しかしながら従来、深みぞ玉軸受は、球体の最大に装填可能な数の少ないことに基づき、若しくは球体の最大の装填率が約60%であることに基づき、軸受の負荷容量が制限されている。従ってこれまでに複数の解決手段が開示され、外側の軌道輪及び内側の軌道輪の相対するつば若しくはフランジに設けられた閉鎖されない装填開口(入れみぞ)が、独国特許出願公告第151483号明細書に記載されており、類似の構造の閉鎖可能な装填開口が、独国特許出願公開第2407477A1号明細書に記載されており、このような装填開口により、球体の装填率を増大し、ひいては深みぞ玉軸受の負荷容量を向上させようとするものである。しかしながらこの種の装填開口においては欠点として、球体がレース軌道内へのテーパー状の入口部やまくれに引っ掛かり、若しくは締め付けられてしまうおそれがあり、その結果、前記手段は実際には用いられないものである。]
[0004] ラジアルころ軸受の転動体の数を増大するための別の手段が、更に独国特許出願公開第4334195A1号明細書により公知である。単列の深みぞ玉軸受として形成されたラジアルころ軸受において、転動体は球体によってではなく、1つの球からの対称的な面取りにより画定されて互いに平行に延びる2つの側面を有する球面ころによって形成されている。球面ころの両方の側面間の幅は、外側の軌道輪の内周面と内側の軌道輪の外周面との間の間隔よりも小さく規定されており、軸受における転動体の装填は、軸方向挿入法によって行われるようになっており、転動体は、横たえられた状態で、内側の軌道輪と外側の軌道輪との間の間隔を通して軸受内に挿入される。これにより、球面ころの中心点がレース軌道の中間軸線の部位に達すると、球面ころは90°にわたって回転され、その結果、球面ころはその球面転動面でもってレース軌道上を転動できるようになっている。]
[0005] しかしながら、球面ころを軸線方向で軸受内に挿入することにより、ラジアルころ軸受に多くの数の転動体を装填できるようになっているものの、この種のラジアルころ軸受においては、負荷容量を増大することについて妥協が図られねばならない。このことは、球面ころが、外側の軌道輪の内周面と内側の軌道輪の外周面との間の間隔を問題なく通して軸受内に挿入できるようにするために、側面間の相応に狭い幅で形成されねばならないことに起因している。同様に、軌道輪のレース軌道が、作動位置への球面ころの回転を可能にするため、並びに球面ころ全体の作動位置での過度に大きな半径方向遊びを発生させないために、比較的に平らにかつ狭く形成されている。幅の比較的に狭い球面ころ及び平らなレース軌道は、球面ころとレース軌道との間の接触面を狭めてしまっており、結果として、この種のラジアルころ軸受の軸方向及び半径方向の負荷容量が減少されて、転動体の数の増大に伴う利点がほぼ相殺されてしまっている。]
[0006] 前記欠点を避けるために、独国特許出願公開第102005014A1号明細書に記載の手段では、球面ころの側面間の幅が、球面ころの球の直径の少なくとも70%に増大され、溝状のレース軌道が、球面ころの球の直径の約19%の深さと約75%の幅で形成されており、これによって球面ころとレース軌道との間の全接触面は、球面ころの球の外周の約45%であり、該値は従来の深みぞ玉軸受の球体とレース軌道との間の全接触面の値に相当するものである。このような構成により、外側の軌道輪の内周面と内側の軌道輪の外周面との間の間隔が、球面ころの球の直径の約60%に減少していて、かつ球面ころの幅よりも狭くなっており、ラジアルころ軸受内への球面ころの装填は、偏心組立法を用いて行われており、偏心組立法においては、球面ころは側面を互いに接触させた状態で、互いに偏心的に配置された両方の軌道輪間の空間内に挿入され、次いで内側の軌道輪が外側の軌道輪に対して同心的な位置に移され、次いで球面ころが軌道輪のピッチ円上で互いに同一の間隔に分配されて、90°旋回させられる。球面ころの面取りにより形成された側面が、偏心組立法においても、球面ころを単列式の深みぞ玉軸受に比べて多い数で、つまり約73%の装填率で球面ころ軸受内に装填することを可能にしている。]
[0007] 前述のように形成された球面ころ軸受によって、球面ころとレース軌道との間の接触面を従来の深みぞ玉軸受の球体とほぼ同じ大きさにすることができ、かつ従来の深みぞ玉軸受よりも高い装填率を達成できる。しかしながら、偏心組立法により装填される球面ころの数は、軸方向組立法により装填可能な球面ころの数よりも少ない。従来の深みぞ玉軸受に比べて球面ころ軸受の軸線方向のスペース及び重量を減少させることができるものの、球面ころ軸受の半径方向の負荷容量は比較的に小さくなってしまっている。]
[0008] 本発明の課題は、公知技術の前記欠点に鑑み、球面ころ軸受を改良して、該球面ころ軸受に、対比可能な深みぞ玉軸受と同等のレース軌道寸法で極めて大きな数の球面ころを装填することができ、ひいては特に半径方向の高い負荷容量を達成し、かつ耐用年数を高めることである。]
[0009] 前記課題を解決するために、本発明によれば、請求項1の上位概念に記載の構成を有する球面ころ軸受において、球面ころ軸受の保持器が窓付き保持器として形成されており、該窓付き保持器の各保持器ポケットは、それぞれ球面ころの、円周方向に位置する断面輪郭と円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭とを組み合わせてなる全体輪郭を有していて、かつ、該各保持器ポケット内に挿入された球面ころ間の、該球面ころのピッチ円上での間隔の合計が1つの球面ころの球の直径よりも小さくなるように、互いに離間して配置されている。]
[0010] 本発明の上記構成により、球面ころ軸受の保持器は簡単かつ安価に製造され、球面ころ軸受は、レース軌道が同一寸法の深みぞ玉軸受とほぼ同じ多くの数の球面ころを装填されていて、高いラジアル負荷容量並びに著しく高められた耐用年数を有している。]
[0011] 本発明に係る球面ころ軸受の有利な形態が従属請求項に記載してある。]
[0012] 請求項2に記載の形態によれば、溝状のレース軌道の深さは、両方の軌道輪において互いに同じであって、かつ前記球面ころの球の直径の約17%〜25%である。このような構成は、従来の深みぞ玉軸受の構成に相当するものであり、支承遊びに起因して発生する球面ころの中心位置からの傾きに際しても、球面ころをレース軌道により確実にガイドでき、つまり高いガイド作用を有するものである。]
[0013] 請求項3に記載の形態によれば、溝状のレース軌道の深さは、両方の軌道輪において互いに異なっていて、外側の軌道輪において、球面ころの球の直径の約17%であり、かつ内側の軌道輪において前記球面ころの球の直径の30%までである。レース軌道のこのような構成は、レース軌道に対する球面ころの高いガイド作用を有し、球面ころ軸受の簡単な組立を可能にするものである。]
[0014] 更に請求項4,5に記載の形態によれば、保持器の保持器ポケットの円周方向に位置する断面輪郭は、球面ころの横軸線の上側の部位の1つの断面の形状を有しているのに対して、保持器の保持器ポケットの円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭は、球面ころのちょうど横軸線上の部位の1つの断面の形状を有し、つまりわずかに長く形成されている。保持器ポケットのこのような特殊な全体輪郭により、球面ころ軸受を後で述べる方法で組立てることができ、保持器の円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭は、球面ころの挿入のために用いられるものであり、球面ころ軸受を組立てた後には球面ころの案内又は支持のためには用いられないものである。]
[0015] 請求項6に記載の形態によれば、保持器は、まずU字形の横断面を有しており、該保持器の横断面U字形の側方の脚部は、球面ころの横方向揺動を避けるための保持器つば若しくはフランジとして設けられている。請求項7に記載の形態によれば、保持器つばは、次のような幅(半径方向の寸法)を有しており、つまり、保持器つばの終端縁部が、該保持器つばの、軸受組立の最終段階で行われる球面ころに向けられた曲げ込み加工の後には球面ころ軸受のほぼピッチ円の高さ(ピッチ円半径)に配置されるようになり、しかしながら球面ころとは接触させられていない。このようにして保持器つばにより形成される、球面ころのための軸線方向の案内部は、球面ころが回転数の高いかつ荷重の一様な場合には、転動方向に対して横方向に蛇行することなく、安定してレース軌道に沿って転動し、従って保持器による軸方向の案内を必要としないものの、軸受回転開始の際に、若しくは許容される最小回転数を下回る回転数の場合、或いは急激な加速の際には、いわゆる揺動作用を発生し、レース軌道上を蛇行して波形線状に転動しようとする傾向にあるので、このような蛇行若しくは揺動運動を防止するために有利に用いられる。更に、保持器つばの上記構成は、レース軌道内における球面ころの±25°までの自動的な圧力角度調整を可能にするものであり、これにより球面ころ軸受は、規定された限界範囲内で高いスラスト荷重にも耐え得るものである。]
[0016] 請求項8に記載の形態によれば、本発明に係る球面ころ軸受の有利な構成として、保持器は、薄板帯材から非切削式に製造され、薄板帯材は、まず変形加工により形材として成形される。次いで、変形加工された薄板帯材に、穴あけ加工により各保持器ポケットが加工成形され、次いで該薄板帯材、つまり形材は保持器の円周長さで薄板ストリップとして切り出され、つまり分割される。次いで、薄板ストリップは環状体にロール曲げ加工され、次いで、環状体を成す薄板ストリップの両端が互いに溶接される。このような製造方法は、ニードルスリーブ製造において知られていて、本発明に係る球面ころ軸受の保持器の製造にとっても経済的に行われるものである。]
[0017] 請求項9に記載の形態によれば、組立てられた球面ころ軸受は、約85%〜95%の転動体装填率を有している。DIN/ISO 6207に基づき最大9個の球体を装填されて約60%の転動体装填率を有する深みぞ玉軸受と比較すれば、本発明に係る同一構造の球面ころ軸受は、14個の球面ころを装填して形成される。これにより、球面ころ軸受の許容支持荷重は、同一構造の深みぞ玉軸受の許容支持荷重の約1.4倍であり、球面ころ軸受の耐用年数は、同一構造の深みぞ玉軸受の耐用年数を100%とした場合に、約180%〜240%である。従来技術の球面ころ軸受に対して本発明に係る球面ころ軸受に得られるこのような利点は、本発明に係る球面ころ軸受が、軌道輪の深く形成されたレース軌道や、これにより軌道輪間の、球面ころの幅よりも狭く形成される間隔にも拘わらず、従来は軸方向組立法で組立てられた球面ころ軸受によってしか得られなかった装填率を有していることによるものである。本発明に係る球面ころ軸受の深く形成されたレース軌道は、高いアキシャル許容支持荷重を可能にするものである。]
[0018] 本発明に係る球面ころ軸受の前記方法において、本発明の前記課題を解決するために、請求項10に記載の形態によれば、交差・斜め位置式旋回組立を次の工程で次のように行われ、つまり、球面ころ軸受の内側の軌道輪と保持器とを、互いに同軸的な状態で、少なくともほぼ共有の1つの平面内に配置し、球面ころを、該球面ころの作動位置に対して90°回動させられた位置で、保持器の保持器ポケットを通して、内側の軌道輪のレース軌道内に差し込み、球面ころを、保持器ポケット内において1つの横軸線を中心として90°にわたって、該球面ころの側面が軸受縦軸線に対して平行に配置される横たえられた位置へ旋回させ、保持器及び球面ころを備えた内側の軌道輪と外側の軌道輪とを、該両方の軌道輪が互いに少なくともほぼ90°にわたって相対的に回動させられた位置で相互に組み合わせ、保持器及び球面ころを備えた内側の軌道輪と外側の軌道輪とを、該両方の軌道輪が互いに同軸的に配置されるまで、相対的に旋回させ、軌道輪の一方若しくは両方を、球面ころが該球面ころの固有回転及び遠心力に基づきひとりでに軌道輪のレース軌道内における該球面ころの作動位置に整列される回転数で回転させ、保持器の保持器つばを、球面ころの横方向揺動を避けるための軸線方向の案内の形成のため、若しくは球面ころ軸受の潤滑剤充填及び/又は密閉のために、球面ころの側面に向けて曲げ込むようになっている。]
[0019] 両方の軌道輪のレース軌道の深さ、つまり軌道溝の深さが互いに同じである球面ころ軸受においては、請求項11に記載の組立工程によれば、まず、外側の軌道輪が垂直な状態で保持装置を用いて固定され、次いで内側の軌道輪が、保持器及び球面ころと一緒に水平な状態で、外側の軌道輪内に差し込まれる。言い換えれば、保持器及び球面ころを備えた内側の軌道輪が、外側の軌道輪に対して交差した位置で、外側の軌道輪内へ直線的に押し込まれる。この工程において、請求項15に記載の形態によれば、まず、直径方向で相対して配置された2つの球面ころのみが外側の軌道輪のレース軌道と接触させられる。外側の軌道輪と内側の軌道輪とを相対的な旋回により互いに組み合わせるための、つまり、外側の軌道輪内への内側の軌道輪の入り込み旋回のための準備作業において、内側の軌道輪の、外側の軌道輪を基準として一方の側に配置された球面ころと他方の側に配置された球面ころとが、内側の軌道輪のレース軌道内において、各球面ころの各1つの横軸線を中心として、互いに逆向きに、内側の軌道輪の各側面に対して斜めの位置へ傾倒される。内側の軌道輪の側面に対して斜めの位置への球面ころの傾倒工程において、請求項16に記載の形態によれば、軌道輪の側面に対して斜めの位置に傾倒された球面ころは、該球面ころの沈み込まれた側でもってほぼ保持器の上側(外側又は外周)の面の部位に配置され、つまり、球面ころの沈み込まれた側の側面は保持器の外周面とほぼ合致される。次いで、内側の軌道輪が、該内側の軌道輪に取り付けられた保持器及び球面ころと一緒に、外側の軌道輪に対して旋回させられ、つまり外側の軌道輪内へ入り込み旋回させられ、該旋回に際して、球面ころが沈み込まれた側の側面が旋回方向で前方に向けられる。外側の軌道輪内への内側の軌道輪の最終的な入り込みの前に、内側の軌道輪が、外側の軌道輪内への内側の軌道輪の下側の部分の入り込みを容易にするために、外側の軌道輪に対して半径方向上方へわずかにずらされる。この場合に、外側の軌道輪を基準として一方の側に配置された前記球面ころと他方の側に配置された球面ころとを、内側の軌道輪のレース軌道内において互いに逆向きに、内側の軌道輪の各側面に対して斜めの位置へ傾倒させ、内側の軌道輪を、外側の軌道輪に対して半径方向にわずかにずらし、かつ内側の軌道輪のずらされる方向と逆方向の側の部分を、前記保持器及び球面ころと一緒に、外側の軌道輪内へ入り込み旋回させ、内側の軌道輪の入り込み旋回された部分を、外側の軌道輪内で降下させ、かつ内側の軌道輪のずらされる方向の側の部分を、保持器及び球面ころと一緒に、外側の軌道輪内へ入り込み旋回させるようになっている。]
[0020] 両方の軌道輪のレース軌道の深さ、つまり軌道溝の深さが互いに異なる球面ころ軸受の場合に、組立工程4及び5は、請求項12に記載の形態によれば、まず、保持器及び球面ころを備えた内側の軌道輪が水平な状態で保持装置を用いて固定され、次いで外側の軌道輪が垂直な状態で内側の軌道輪に被せ嵌められることにより簡単に実施される。該組立工程において、請求項15に記載の形態によれば、まず、直径方向で相対して配置された2つの球面ころのみが外側の軌道輪のレース軌道と接触させられる。次いで、一方の側に配置された球面ころと他方の側に配置された球面ころとが、内側の軌道輪のレース軌道内において、各球面ころの各1つの横軸線を中心として、互いに逆向きに、内側の軌道輪の各側面に対して斜めの位置へ傾倒される。請求項16に記載の形態によれば、軌道輪の側面に対して斜めの位置に傾倒された球面ころは、該球面ころの沈み込まれた側でもってほぼ保持器の上側(外側又は外周)の面の部位に配置され、つまり、球面ころの沈み込まれた側の側面は保持器の外周面とほぼ合致される。次いで、外側の軌道輪が、内側の軌道輪に対して、球面ころが沈み込まれた側に向けて旋回させられる。該旋回は、両方の軌道輪のレース軌道の深さが互いに異なるので、両方の軌道輪間の半径方向のずらしを行うことなく、連続的に行われる。]
[0021] 組立工程4及び5のいずれの形態においても、レース軌道内に組み込まれて横たえられた状態に配置された球面ころを有する球面ころ軸受の外側又は内側の軌道輪若しくは両方の軌道輪が、回転させられ、或いは、球面ころをその固有回転及び遠心力に基づきひとりでに軌道輪のレース軌道内における球面ころの作動位置に整列させる回転数で加速されるようになっている。このことは、請求項19に記載の形態により、外側の軌道輪の回転運動に際して、球面ころの転動面の縁部領域が、軌道輪のレース軌道の縁部領域と摩擦接触していて、回転する外側の軌道輪によって加速されることに基づき達成される。球面ころの整列の達成は、球面ころ軸受がスムーズに作動するようになることにより確認される。]
[0022] 最終的な第7の組立工程として、保持器の保持器つばの、球面ころの側面に向けた曲げ込みが行われ、これによって、ある特定の作動状態における球面ころの前述の横方向揺動を避けるための軸線方向の案内が形成され、かつ必要に応じて選択的に用いられる潤滑剤の充填及び球面ころ軸受の密閉が行われる。]
[0023] 本発明に係る球面ころ軸受、並びに該球面ころ軸受の本発明に係る方法の有利な実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。]
図面の簡単な説明

[0024] 本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受の拡大された斜視図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受の断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受の図2の断面図の上方の半分の拡大図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受の断面図の上方の半分の拡大図である。
図3及び図4に示す本発明の実施の形態に係る球面ころ軸受の保持器の斜視図である。
図3及び図4に示す本発明の実施の形態に係る球面ころ軸受の保持器の保持器ポケットの平面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第1の組立工程の後の状態で示す斜視図及び断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第2の組立工程の後の状態で示す斜視図及び断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第3の組立工程の後の状態で示す斜視図及び断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第4の組立工程の第1の実施の形態の後の状態で示す斜視図及び断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第4の組立工程の第1の実施の形態による第1の中間工程の前の状態で示す斜視図及び断面図である
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第5の組立工程の第1の実施の形態による第1の中間工程の後の状態で示す斜視図及び断面図である。
本発明の第1の実施に係る球面ころ軸受の形態を、該球面ころ軸受の組立のための第6の組立工程の前の状態で示す斜視図及び断面図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第4の組立工程の第2の実施の形態による第1の2つの準備工程の後の状態で示す斜視図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第4の組立工程の第2の実施の形態の前の状態で示す斜視図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第4の組立工程の第2の実施の形態の後の状態で示す斜視図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第5の組立工程の第2の実施の形態の実施中の状態で示す斜視図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第5の組立工程の第2の実施の形態の実施の後の状態で示す斜視図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第6の組立工程の前の状態で示す斜視図である。
本発明の第2の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第6の組立工程の後の状態で示す斜視図及び断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る球面ころ軸受を、該球面ころ軸受の組立のための第7及び最終の組立工程の後の状態で示す斜視図及び断面図である。] 図2 図3 図4
[0025] 図1及び図2は、互いに異なる側から単列の球面ころ軸受1を示しており、該球面ころ軸受は、実質的に外側の軌道輪2及び内側の軌道輪3、並びに該軌道輪間に一列に配置された複数の球面ころ4から成っている。該球面ころ4は、該球面ころの仮想の球からの対称的な面取りにより画成されかつ互いに平行に配置された各2つの側面5,6を有していて、かつ保持器7によって円周方向で一様な間隔に保たれている。図3及び図4に明確に示してあるように、球面ころ4は、両方の側面5,6間にその球の直径dKの約70%に相当する幅bKを有していて、該球面ころの転動面8でもって、外側の軌道輪2の内周面9及び内側の軌道輪3の外周面10に加工成形された溝状の2つのレース軌道11,12に沿って転動するようになっており、レース軌道の深さtLA,tLIは、外側の軌道輪2の内周面9と内側の軌道輪3の外周面10との間の間隔aLが球面ころ4の幅bKよりも小さくなっているように規定されている。] 図1 図2 図3 図4
[0026] 図示の球面ころ軸受1の新規な構成は、該球面ころ軸受の図5に単独に示す保持器7が窓付き保持器として形成されていることにあり、該保持器の各保持器ポケット13はそれぞれ、図6から明確に見て取れるように、球面ころ4の、円周方向に位置する断面輪郭14と円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭15とを組み合わせてなる全体輪郭を有していて、かつ、各保持器ポケット内に挿入された球面ころ4間の、該球面ころのピッチ円上での間隔の合計が各球面ころ4の球の直径dKよりも小さくなるように、互いに離間して配置されている。更に、本発明に係る球面ころ軸受1は次の特徴を有しており、つまり、両方の軌道輪2,3の溝状のレース軌道11,12の深さtLA,tLIは、図3の実施の形態によれば、互いに同じであり、かつ球面ころ4の球の直径dKの約17%〜25%であるか、若しくは、図4の実施の形態によれば、互いに異なっていて、外側の軌道輪2において球面ころ4の球の直径dKの約17%であり、かつ内側の軌道輪3において球面ころ4の球の直径dKの30%までである。レース軌道11,12の前記の両方の実施の形態は、中心位置から許容される傾き位置への球面ころ軸受1の変位に際しても、レース軌道11,12による球面ころ4の高いガイド作用を有している。しかしながら、後で述べるように、球面ころ軸受1の組立の方法の他の実施の形態も可能である。] 図3 図4 図5 図6
[0027] 図5及び図6から更に見て取れるように、保持器7の保持器ポケット13の円周方向に位置する断面輪郭14は、球面ころ4の横軸線AKQの上側の部位の1つの断面平面の形状に相当しているのに対して、保持器ポケット13の円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭15は、いくらか長く形成されていて、球面ころ4のちょうど横軸線AKQ上の部位の1つの断面平面の形状を有している。保持器ポケット13の円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭15は、後で述べる組立工程の実施のために重要であり、軸受組立の後には、保持器ポケット13の円周方向に位置する断面輪郭14のように、球面ころ案内に役立つものではない。] 図5 図6
[0028] 更に図5及び図6から見て取れるように、保持器7は、U字形の断面形状を有しており、該断面U字形の保持器の側方の脚部は、球面ころ4の横方向揺動を避けるための保持器つば16,17として形成されている。保持器つば16,17は、次のような幅(半径方向の寸法)を有しており、つまり、該保持器つばが、軸受組立の最終段階で球面ころ4に向けて曲げ込まれた状態では、図3及び図4に描かれた形状を有しており、該形状において保持器つばの終端縁部は、ほぼピッチ円の高さ(ピッチ円半径)に配置されている。このような保持器7のための素材は薄板帯材であり、該薄板帯材から、保持器つば16,17の縁曲げ加工、保持器ポケット13の穴あけ加工、保持器7の円周寸法への切り詰め、環状体へのロール曲げ加工、及び保持器7の環状体端部間の溶接によって保持器7は非切削式に製造される。保持器7の互いに離間して配置された保持器ポケット13の前述の特殊な形状により、組立てられた球面ころ軸受1は、同一構造の深みぞ玉軸受若しくは他の公知の球面ころ軸受に対比して、約85%〜95%の転動体装填率を有しており、その結果、本発明に係る球面ころ軸受のラジアル負荷容量は、同一構造の深みぞ玉軸受に比べて複数倍大きくなっており、かつその耐用年数は、同一構造の深みぞ玉軸受の耐用年数を100%とした場合に、約180%〜240%である。] 図3 図4 図5 図6
[0029] 図7〜図21には、本発明に係る図3及び図4に示す球面ころ軸受1の、組立のための方法の2つの実施の形態が示してある。該方法は、両方の軌道輪2,3が工程途中において互いに交差した位置で、かつ、斜め位置に傾倒された球面ころ4及び保持器7と一緒に、該両方の軌道輪間の相対的な旋回により互いに組み合わされるようになっている交差・斜め位置式旋回組立として構成されている。] 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18 図19
[0030] 軸受組立において、図3及び図4に示してある各実施の形態に対応して、互いに異なる組立工程で開始され、図3に示してある実施の形態では、球面ころ軸受1の内側の軌道輪3と保持器7とは、少なくともほぼ共通の1つの平面上に互いに同軸に配置されている。] 図3 図4
[0031] 図8に示してある第2の組立工程では、球面ころ4の挿入が、該球面ころの作動位置に対して90°回動させられた位置で、保持器7の保持器ポケット13を通して、内側の軌道輪3のレース軌道12内へ行われており、球面ころ4のこのような挿入は、図面から明確に見て取れるように、もっぱら、保持器ポケット13の円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭15を介して行われている。] 図8
[0032] 次いで、球面ころ4は、図9に示す第3の組立工程では、保持器ポケット13内においてその横軸線AKQを中心として90°にわたって、該球面ころの側面5,6が軸受軸線ALLに対して平行に向けられる位置、若しくは該球面ころの側面5又は6が内側の軌道輪3のレース軌道12内にある位置、つまり、横たえられた位置へ旋回させられており、各球面ころ4の横軸線AKQはそれぞれ保持器7の下側(内側)の面の下方(内方)に位置している。] 図9
[0033] 球面ころ4をその横たえられた位置へ旋回させた後に、第4の組立工程として、保持器7及び球面ころ4を備えた内側の軌道輪3と外側の軌道輪2との間の相互の差し嵌めが、両方の軌道輪2,3を互いに少なくともほぼ90°回動させた若しくは交差させた位置で行われる。該組立工程の、図3に示す球面ころ軸受1にとって特に適した第1の実施の形態では、まず第1の準備工程として、外側の軌道輪2の図10に示す垂直な位置での図示省略の補助装置による固定、並びに、内側の軌道輪3の、保持器7及び球面ころ4と一緒の水平な状態での外側の軌道輪2内への運動方向矢印で示す挿入が行われる。図10における断面図から明らかであるように、まず直径方向で相対する2つの球面ころ4のみが、外側の軌道輪2のレース軌道11と接触するようになっている。] 図10 図3
[0034] 次に、第4の組立工程の第1の実施の形態の第2の準備工程として、外側の軌道輪2の一方の側に配置された球面ころ4及び外側の軌道輪2の他方の側に配置された球面ころ4の、図11に示す傾倒が次のように行われ、つまり、該球面ころは、内側の軌道輪3のレース軌道12内において、互いに逆向きに、内側の軌道輪3の各側面18,19に向けて斜めの位置へ傾けられて、該傾けにより沈み込まれた側で、ほぼ保持器7の上側(外側)の面の部位に配置される。図面から明りょうに見て取れるように、球面ころ4は、内側の軌道輪3の、外側の軌道輪2の左側に配置されている半部において内側の軌道輪3の下側の側面18に向けて傾けられ、かつ内側の軌道輪3の、外側の軌道輪2の右側に配置されている半部において内側の軌道輪3の上側の側面19に向けて傾けられている。] 図11
[0035] 次いで第5の組立工程として、保持器7及び球面ころ4を備える内側の軌道輪3と外側の軌道輪2とは、該両方の軌道輪にとって共有の1つの軸受横軸線ALQを中心として、該両方の軌道輪2,3が互いに同軸に配置されるようになるまで、互いに嵌合するように旋回(嵌合旋回)させられる。該組立工程の、図3に示す球面ころ軸受1にとって特に適した1つの実施の形態では、該組立工程は、図12に示すように、内側の軌道輪3を保持器7及び球面ころ4と一緒に、前記共有の軸受横軸線ALQを中心として外側の軌道輪2に対して旋回させることにより行われ、該旋回に際して、内側の軌道輪3の、球面ころ4が沈み込まれた側の側面18,19がそれぞれ旋回方向に向けられている。更に、内側の軌道輪3の、外側の軌道輪2に対する半径方向上方への運動方向矢印で示すずらしが、外側の軌道輪2内への内側の軌道輪3の下側の部分の、保持器7及び球面ころ4と一緒の入り込み旋回を容易にするために、内側の軌道輪3を持ち上げることによって行われる。外側の軌道輪2内への内側の軌道輪3の上側の部分の、保持器7及び球面ころ4と一緒の容易な入り込み旋回のために、図13に示す別の部分工程で、まず、内側の軌道輪3の既に入り込み旋回された下側の部分が、図面に運動方向矢印で示すように、外側の軌道輪2内を降下させられ、これによって、球面ころ軸受1は、球面ころ4がまだ横たえられた位置にあるものの、組立が完了されている。] 図12 図13 図3
[0036] 前記第4の組立工程の、図4に示す球面ころ軸受1にとって特に適した第2の実施の形態では、保持器7及び球面ころ4を備える内側の軌道輪3と外側の軌道輪2との相互の差し嵌めのための第1の準備工程として、内側の軌道輪3の図14に示す水平な位置での図示省略の補助装置による固定が行われ、かつ第2の準備工程として、後で被せ嵌められる外側の軌道輪2の一方の側及び他方の側に配置された球面ころ4の互いに逆向きの傾倒が、内側の軌道輪3のレース軌道12内において、内側の軌道輪3の各側面18,19に向けて斜めの位置へ行われる。次いで、外側の軌道輪2が、図15に示してあるように、垂直の位置で内側の軌道輪3に被せ嵌められ、図16に明確に示してあるように、同様にまず、直径方向で相対する2つの球面ころ4のみが、外側の軌道輪2のレース軌道11と接触するようになっている。] 図14 図15 図16 図4
[0037] 次いで、図17に示してあるように、内側の軌道輪3と外側の軌道輪2との嵌合旋回が、第5の組立工程で、該両方の軌道輪に共有の1つの軸受横軸線ALQを中心として行われ、このことは、図4に示す第2の実施の形態の球面ころ軸受1に適した工程では、外側の軌道輪2を内側の軌道輪3に対して、かつ球面ころ4が沈み込まれた側の方向に旋回させることにより、軌道輪2,3間の半径方向の相互のずらしなしに、実施される。これにより、軌道輪2,3は図18に示してあるように、互いに同軸に配置され、結果として、球面ころ軸受1は、第4及び第5の組立工程の前記第1の実施の形態と同様に、球面ころ4が同様にまだ横たえられた位置にあるものの、図19に示してあるように、組立が完了されている。] 図17 図18 図19 図4
[0038] 図20は、本発明に係る球面ころ軸受1の前記両方の実施の形態にとって同様に実施される第6の組立工程を示しており、球面ころ軸受1の外側の軌道輪2のみが、図面の運動方向矢印で示すように、回転させられるようになっており、若しくは、球面ころ4を固有回転及び遠心力に基づきひとりでに軌道輪2,3のレース軌道11,12内における該球面ころの作動位置に整列させる回転数nで加速されるようになっている。このことは、球面ころ4が、図13及び図19から理解されるように、第5の組立工程の後に横たえられた位置を占めていて、該位置において球面ころ4の転動面8の縁部領域でもって軌道輪2,3のレース軌道11,12の縁部領域に接触していて、従って摩擦接触により軌道輪2,3と一緒に加速されることに基づき可能である。] 図13 図19 図20
[0039] 最終的な第7の組立工程として、保持器7の保持器つば16,17の、球面ころ4の側面に向けた図21に示す曲げ込みが、ある特定の作動状態における球面ころ4の前述の横方向揺動を避けるための軸線方向の案内を形成するために、行われ、かつ実際に成形される球面ころ軸受1には設けられる潤滑剤の充填及び球面ころ軸受1の密閉が行われる。] 図21
[0040] 1球面ころ軸受、 2,3軌道輪、 4球面ころ、 5,6 側面、 7保持器、 8転動面、 9内周面、 10外周面、 11,12レース軌道、 13保持器ポケット、 14,15断面輪郭、 16,17保持器つば、 18,19 側面]
权利要求:

請求項1
球面ころ軸受(1)であって、実質的に外側の軌道輪(2)、内側の軌道輪(3)、及び前記軌道輪(2,3)間に配置された複数の球面ころ(4)から成っており、前記球面ころはそれぞれ、1つの球からの対称的な面取りにより形成されて互いに平行に延びる2つの側面(5,6)を有していて、保持器(7)によって円周方向で互いに一様な間隔に保たれており、前記球面ころ(4)は、前記側面(5,6)間に前記球の直径(dK)の約70%の幅(bK)を有していて、該球面ころの転動面(8)でもって、前記外側の軌道輪(2)の内周面(9)及び前記内側の軌道輪(3)の外周面(10)に加工成形された溝状の2つのレース軌道(11,12)内を転動するようになっており、前記溝状のレース軌道の深さ(tLA,tLI)は、前記外側の軌道輪(2)の内周面(9)と前記内側の軌道輪(3)の外周面(10)との間の間隔が前記球面ころ(4)の前記幅(bK)よりも小さくなるように、寸法規定されている形式のものにおいて、前記球面ころ軸受(1)の前記保持器(7)は窓付き保持器として形成されており、該窓付き保持器の各保持器ポケット(13)は、それぞれ前記球面ころ(4)の、円周方向に位置する断面輪郭(14)と円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭(15)とを組み合わせてなる全体輪郭を有していて、かつ、該各保持器ポケット内に挿入された前記球面ころ(4)間の、該球面ころのピッチ円上での間隔の合計が1つの前記球面ころ(4)の球の直径(dK)よりも小さくなるように、互いに離間して配置されていることを特徴とする球面ころ軸受。
請求項2
前記溝状のレース軌道(11,12)の深さ(tLA,tLI)は、前記両方の軌道輪(2,3)において互いに同じであって、かつ前記球面ころ(4)の球の直径(dK)の約17%〜25%である請求項1に記載の球面ころ軸受。
請求項3
前記溝状のレース軌道(11,12)の深さ(tLA,tLI)は、前記両方の軌道輪(2,3)において互いに異なっていて、前記外側の軌道輪(2)において、前記球面ころ(4)の球の直径(dK)の約17%であり、かつ前記内側の軌道輪(3)において前記球面ころ(4)の球の直径(dK)の30%までである請求項1に記載の球面ころ軸受。
請求項4
前記保持器(7)の前記保持器ポケット(13)の円周方向に位置する前記断面輪郭(14)は、前記球面ころ(4)の横軸線(AKQ)の上側の部位の1つの断面の形状を有している請求項2又は3に記載の球面ころ軸受。
請求項5
前記保持器(7)の前記保持器ポケット(13)の円周方向に対して横方向に位置する前記断面輪郭(15)は、前記球面ころ(4)のちょうど横軸線(AKQ)上の部位の1つの断面の形状を有している請求項2又は3に記載の球面ころ軸受。
請求項6
前記保持器(7)は、まずU字形の横断面を有しており、該保持器の横断面U字形の側方の脚部は、前記球面ころ(4)の横方向揺動を避けるための保持器つば(16,17)として設けられている請求項2又は3に記載の球面ころ軸受。
請求項7
前記保持器つば(16,17)は、該保持器つばの終端縁部が、該保持器つばの、軸受組立の最終段階で行われる前記球面ころ(4)に向けられた曲げ込み加工の後に前記球面ころ軸受(1)のほぼピッチ円の高さに配置される幅を有している請求項6に記載の球面ころ軸受。
請求項8
前記保持器(7)は、薄板帯材から、前記保持器つば(16,17)の成形加工、前記保持器ポケット(13)の穴あけ加工、該保持器(7)の円周寸法への切り詰め、環状体へのロール曲げ加工、及び前記環状体の端部間の溶接によって製造されている請求項7に記載の球面ころ軸受。
請求項9
組立てられた前記球面ころ軸受(1)は、約85%〜95%の転動体装填率を有しており、該球面ころ軸受の耐用年数は、同一構造の深みぞ玉軸受の耐用年数を100%とした場合に、約180%〜240%である請求項2又は3に記載の球面ころ軸受。
請求項10
請求項1に記載の球面ころ軸受を組立てるための方法において、前記内側の軌道輪(3)、前記保持器(7)、前記球面ころ(4)、及び前記外側の軌道輪(2)の交差・斜め位置式旋回組立を次の工程で行い、つまり、a)前記球面ころ軸受(1)の前記内側の軌道輪(3)と前記保持器(7)とを、互いに同軸的な状態で、少なくともほぼ共有の1つの平面内に配置し、b)前記球面ころ(4)を、該球面ころの作動位置に対して90°回動させられた位置で、前記保持器(7)の前記保持器ポケット(13)を通して、前記内側の軌道輪(3)の前記レース軌道(12)内に差し込み、c)前記球面ころ(4)を、前記保持器ポケット(13)内において1つの横軸線(AKQ)を中心として90°にわたって、該球面ころの側面(5,6)が軸受縦軸線(ALL)に対して平行に配置される横たえられた位置へ旋回させ、d)前記保持器(7)及び前記球面ころ(4)を備えた前記内側の軌道輪(3)と前記外側の軌道輪(2)とを、該両方の軌道輪(2,3)が互いに少なくともほぼ90°にわたって相対的に回動させられた位置で相互に組み合わせ、e)前記保持器(7)及び前記球面ころ(4)を備えた前記内側の軌道輪(3)と前記外側の軌道輪(2)とを、該両方の軌道輪(2,3)が互いに同軸的に配置されるまで、相対的に旋回させ、f)前記軌道輪(2,3)の一方若しくは両方を、前記球面ころ(4)が該球面ころの固有回転及び遠心力に基づきひとりでに前記軌道輪(2,3)の前記レース軌道(11,12)内における該球面ころの作動位置に整列される回転数で回転させ、g)前記保持器(7)の保持器つば(16,17)を、前記球面ころ(4)の横方向揺動を避けるための軸線方向の案内の形成のため、若しくは前記球面ころ軸受(1)の潤滑剤充填及び/又は密閉のために、前記球面ころ(4)の側面(5,6)に向けて曲げ込むことを特徴とする、球面ころ軸受を組立てるための方法。
請求項11
請求項1及び2に記載の球面ころ軸受において、前記組立工程d)及びe)を次のように行い、つまり、−前記外側の軌道輪(2)を垂直な状態で保持装置内に固定し、かつ前記内側の軌道輪(3)を、前記保持器(7)及び前記球面ころ(4)と一緒に水平な状態で、前記外側の軌道輪(2)内に差し込み、−前記外側の軌道輪(2)を基準として一方の側に配置された前記球面ころ(4)と他方の側に配置された前記球面ころ(4)とを、前記内側の軌道輪(3)の前記レース軌道(12)内において互いに逆向きに、該内側の軌道輪(3)の各側面(18,19)に対して斜めの位置へ傾倒させ、−前記内側の軌道輪(3)を、前記保持器(7)及び前記球面ころ(4)と一緒に、該球面ころ(4)が沈み込まれた側の側面(18,19)を前向きに、前記外側の軌道輪(2)に対して旋回させ、−前記内側の軌道輪(3)を、前記外側の軌道輪(2)に対して半径方向にわずかにずらし、かつ該内側の軌道輪(3)のずらされる方向と逆方向の側の部分を、前記保持器(7)及び前記球面ころ(4)と一緒に、前記外側の軌道輪(2)内へ入り込み旋回させ、−前記内側の軌道輪(3)の前記入り込み旋回された前記部分を、前記外側の軌道輪(2)内で降下させ、かつ前記内側の軌道輪(3)のずらされる方向の側の部分を、前記保持器(7)及び前記球面ころ(4)と一緒に、前記外側の軌道輪(2)内へ入り込み旋回させる請求項10に記載の方法。
請求項12
請求項1及び3に記載の球面ころ軸受において、前記組立工程d)及びe)を次のように行い、つまり、−前記保持器(7)及び前記球面ころ(4)を備えた前記内側の軌道輪(3)を水平な状態で補助装置内に固定し、−軸受横軸線(ALQ)の一方の側に配置された前記球面ころ(4)と他方の側に配置された前記球面ころ(4)とを、前記内側の軌道輪(3)の前記レース軌道(12)内において互いに逆向きに、該内側の軌道輪(3)の各側面(18,19)に対して斜めの位置へ傾倒させ、−前記外側の軌道輪(2)を垂直な状態で前記内側の軌道輪(3)に被せ嵌め、かつ、該外側の軌道輪(2)を、前記内側の軌道輪(3)に対して、前記球面ころ(4)が沈み込まれた側に向けて旋回させる請求項10に記載の方法。
請求項13
前記球面ころ(4)を、90°回動させられた位置で、前記保持器ポケット(13)の円周方向に対して横方向に位置する断面輪郭(15)を通して、前記内側の軌道輪(3)の前記レース軌道(12)内に差し込む請求項11又は12に記載の方法。
請求項14
前記保持器ポケット(13)内における前記球面ころ(4)の、前記横たえられた位置への旋回に際して、該球面ころの前記横軸線(AKQ)は前記保持器(7)の下側の面の下方に配置される請求項11又は12に記載の方法。
請求項15
前記軌道輪(2,3)の前記相互の組み合わせを、まず、直径方向で相対して配置された2つの前記球面ころ(4)が前記外側の軌道輪(3)の前記レース軌道(12)と接触するように行われる請求項11又は12に記載の方法。
請求項16
前記内側の軌道輪(3)の前記側面(18,19)に対して斜めの位置に傾倒された前記球面ころ(4)は、該球面ころの沈み込まれた側でもってほぼ前記保持器(7)の上側の面の部位に配置される請求項11又は12に記載の方法。
請求項17
前記内側の軌道輪(3)の前記入り込み旋回の際の、前記外側の軌道輪(2)に対する前記半径方向のずらしは、該内側の軌道輪(3)のまだ前記外側の軌道輪(2)の外側に位置する部分に向かう方向での該内側の軌道輪(3)の持ち上げによって行われる請求項11に記載の方法。
請求項18
前記内側の軌道輪(3)の既に入り込み旋回された部分の、前記外側の軌道輪(2)内における前記降下は、該内側の軌道輪(2)のまだ終端位置に達していない部分の方向と逆の方向に行われる請求項11に記載の方法。
請求項19
前記球面ころ(4)は、前記外側の軌道輪(2)を回転運動させる際に、該球面ころの転動面(8)の縁部領域でもって、前記軌道輪(2,3)の前記レース軌道(11,12)の縁部領域と接触している請求項11又は12に記載の方法。
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